神奈川県三浦市で代々続く鈴木農園さま。夏はスイカ、9月から大根の種まき、11月から3月は大根収穫、さらに12月からは春キャベツの定植と、年間を通して途切れることのない農作業が続きます。今回お話を伺ったのは、書類関係や登録支援会社とのやり取りを担う鈴木歩様。ご自身も作業を手伝いながら、音楽の仕事と並行して農園を支えていらっしゃいます。農園の代表は雇用主であるお父様、後を継がれるのは弟の克己様です。平均7〜8kg(大きいものは10kg以上)あるスイカの運搬や、大根の首と葉を丁寧に切り分ける収穫作業など、力仕事と繊細な手作業の両方が求められる現場です。ご両親の高齢化をきっかけに外国人材の採用を検討し始めた鈴木農園さまに、これまでの試行錯誤と、現在の手応えを伺いました。
ご家族の高齢化と、日本人採用の難しさ
―まずは、外国人材の採用に至った背景を教えてください。
三浦市はもともと農業か漁業かという土地柄で、うちも家族だけで農園を続けてきました。ただ両親が70代に差しかかり、父が入院したこともあって、家族だけでの継続に限界を感じ始めていたんです。近所で先に外国人材を受け入れていた農家さんがうまくいっている様子を見ていたのも大きなきっかけでした。
―日本人スタッフの採用も試されたそうですね。
はい、両親が高齢になるずっと前、今から10年以上前から日本人スタッフを雇用してきました。ただ、日本人スタッフも高齢化する中で、重い荷物を運ぶ作業や特定の作業を避けるようになったり、ご自身で仕事を選び始めてしまう傾向があって。加えて、周辺で外国人労働者が増え始めた頃から、次第に定着が難しくなっていきました。
また、日本人で就職してくださった方の中には、農家の手伝いを家庭菜園の延長のようにイメージされている方もいて、実際に畑を見て「思っていた規模と違った」と辞めていかれるケースもありました。
不信感を乗り越えてトクティーへ
―最初から特定技能人材の採用だったのでしょうか。
いいえ、最初は派遣形態でベトナムの方を2名受け入れていました。動きも早く、良い人材にも恵まれたのですが、派遣費用がかさみ、実質3名分以上の支払いが続く状態で。その後、直接雇用に切り替えようとした際、以前お世話になっていた会社の対応に不信感を持つ出来事が重なりました。
―具体的にはどのようなことがあったのでしょうか。
外国人採用は、私たちも分からないことが多い中で進めることになります。その中で、本来知っておくべき情報が知らされていなかったり、こちらから声をかけない限り進捗状況が分からなかったりする不透明さが、不信感につながりました。 具体的には、面接前に候補者の年齢やご結婚の有無、来日からの経過期間といった基本情報が開示されないまま、いきなり面接だけ組まれてしまったこと。また、従業員がコミュニティの都合や結婚・妊娠といった個人的な理由で退職を希望した際、雇用主とその従業員本人との直接の話し合いを拒まれ、「会社の方で対応します」と言われたきり数ヶ月放置されたこと。そして、定期的に面談を実施していると聞いていたにもかかわらず、後から本人に確認すると一度も面談していなかったことが分かった、などの出来事がありました。
―数あるサービスの中で、なぜトクティーを選んでいただけたのでしょうか。
登録支援会社を探す中で、オンラインでの企業説明を受け、スピード感と費用面に納得感がありました。国内・国外両方の候補者にアクセスできる点や、特定活動を挟んでビザ更新を進められる仕組みも決め手になりましたね。
「わかりました」を鵜呑みにしない
―日本語の壁について、他の経営者の方と少し違う視点をお持ちだと感じました。
自分自身、パリに4年ほど音楽留学していた経験があるんです。言葉が話せないと、どうしても現地の人たちの輪に入れてもらえない。旅行とは違って、生活や仕事となると会話ができなければ孤立してしまう——そういう経験を実際にしてきました。だからこそ、日本で働く外国人材の方が言葉に苦労している姿を見ると、他人事とは思えないんですよね。
―実際に受け入れてみて、感じている課題はありますか。
一番は日本語の壁です。日本語がわからないにもかかわらず、「わからない」と言うのに恥ずかしさがあるのか、作業をしっかり理解していない場合でも「わかりました」と返ってきてしまうことには困ることも多かったです。私の経験上、作業説明後すぐに「わかった」を連呼する子ほど作業を理解していないケースが多いです。
逆に、理解が進んでくると「わかった」とあまり言わず、分からないことを分からないと聞いてくるようになります。その行き違いを防ぐためにうちでは、伝えた説明を本人に復唱してもらったり、自分でやらせてみたりして、理解度を都度確認するようにしています。
―外国人材の先輩従業員から教わる場面での注意点もあるそうですね。
はい、先輩格の子が母国語で教えてくれること自体は悪いことではないのですが、先輩格の子が十分に理解していないまま伝えると、最終的な作業に間違いが起きます。いわゆる伝言ゲームのようになってしまうのです。だからこそ、雇用主が直接、本人の理解度を確認することが欠かせないと感じています。あとは、成長を素直に褒めることも大事ですね。注意されることへの気恥ずかしさから「わかった」と言ってしまう子もいるので、安心して「わからない」と言える関係づくりを意識しています。
―実際に受け入れてみて、感じている課題はありますか。
一番は日本語の壁です。日本語がわからないにもかかわらず、「わからない」と言うのに恥ずかしさがあるのか、作業をしっかり理解していない場合でも「わかりました」と返ってきてしまうことには困ることも多かったです。私の経験上、作業説明後すぐに「わかった」を連呼する子ほど作業を理解していないケースが多いです。
逆に、理解が進んでくると「わかった」とあまり言わず、分からないことを分からないと聞いてくるようになります。その行き違いを防ぐためにうちでは、伝えた説明を本人に復唱してもらったり、自分でやらせてみたりして、理解度を都度確認するようにしています。
―外国人材の先輩従業員から教わる場面での注意点もあるそうですね。
はい、先輩格の子が母国語で教えてくれること自体は悪いことではないのですが、先輩格の子が十分に理解していないまま伝えると、最終的な作業に間違いが起きます。いわゆる伝言ゲームのようになってしまうのです。だからこそ、雇用主が直接、本人の理解度を確認することが欠かせないと感じています。あとは、成長を素直に褒めることも大事ですね。注意されることへの気恥ずかしさから「わかった」と言ってしまう子もいるので、安心して「わからない」と言える関係づくりを意識しています。人に話を聞いて、朝食のパンをハムの入っていない甘いものに変えるなど、できる範囲で工夫をしています。こちらの当たり前を押し付けるのではなく、一人の人間として尊重して接する。そうした積み重ねを大切にしています。
外国人雇用を検討している経営者へのメッセージ
ー最後に、外国人雇用を検討している経営者の方々へメッセージをお願いします。
大きく3つあると思います。
まず、思っている以上に日本語は通じない状態で来るということ。会話が成立しているように見えても、実際には理解が追いついていないケースが多いので、その前提で接する必要があります。
次に、働ける時間について、雇用主と本人の間で最初にしっかりすり合わせておくこと。仕事が少なすぎたり休みが多すぎたりすると定着しにくく、逆にどのくらい働けるかが明確であれば、本人も送金計画などを立てやすくなります。
最後に、休日はできるだけ計画的に行動できるよう、ある程度固定してあげることが望ましいです。うちでは土曜日を固定休にしていますが、悪天候が続く場合は交代してもらえるかを面接時に確認しています。家族経営だと、その日の天候で急に休みにしたり、逆に急に出てきてと頼んだりすることもあると思いますが、彼らはあくまで就職している立場ですし、急な予定変更で私生活のスケジュールが立てにくいということもあります。そこは意識して決め事を守ってあげるのが良いのではないかと思います。
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