宮城県で水稲を中心に農業を営む株式会社耕伸様。今後は、ライスセンターの改修などの影響で納入可能なお米の量も大幅に上がるなどの好影響も期待されるため、数年前から更なる収穫拡大を見据えていらっしゃいました。 しかし、規模拡大を進める過程で直面したのが、深刻な人手不足です。日本人スタッフの採用や、シルバー人材、単発のアルバイトマッチングサービスなどを試みても長期的な解決には至らず、耕伸は特定技能人材の採用という選択に踏み出しました。代表の佐藤康浩様に、その歩みと現場づくりの哲学を伺いました。
「強制はしない」、信頼をもとに任せる人材育成のスタイル
ー特定技能人材の採用を決める中で、不安に感じていた点はありましたか?
採用にあたっては、日本語でのコミュニケーションがうまく取れるか、という不安がありましたが、蓋を開けてみれば6名全員が特に問題なくコミュニケーションが取れていて杞憂でした。日本語が得意なスタッフが3名いるので、分からないことがあれば、その3名が通訳に入ってくれる。仕事の指示なども、彼らを介してうまくやり取りができていて、私がいちいち入らなくても、彼らの中で解決してくれる自走力がありますね。
また、地域との関係でトラブルになってしまうのではという心配もあったのですが、むしろ「頑張ってるね」と声をかけてもらえることの方が多い状況です。私からは、最初に「ゴミだけは絶対に捨てないように」「人のゴミでも見つけたら拾うように」と、地域の人たちに愛されるための当たり前の在り方を伝えるようにしています。
ー育った環境が違う外国人スタッフを採用し続ける上で、意識されていることはありますか?
「これといって強制はせず、最低限のルールを伝えたら、あとは仕事の進め方も生活習慣も、本人たちの自主性に任せる」それが私のスタンスです。もちろん路線を外れたときは注意しますが、細かく管理するようなことはしません。トクティーさんに紹介してもらった彼らは、もともと日本の他のネギ農家で経験を積んできたスタッフだったので、一から仕事を教える必要がなかったのも大きかったですね。仕事の流れも早い段階から理解してもらえて、今ではある程度自律的に仕事を進めてもらえています。

「自分たちも頑張らなきゃ」。特定技能人材と日本人スタッフの切磋琢磨
ー日本人スタッフの方々との関係はいかがですか?
現在、日本人スタッフが9名、特定技能人材が6名います。特定技能人材は仕事が早く、動きも早い。それで逆に教える立場だった日本人スタッフが「自分たちも頑張らなきゃ」と刺激を受けて、いい方向に向かっています。両者の間でトラブルもなく、お互いに笑い合いながら作業をしているような雰囲気ですね。
気を付けたいのは、馴れ合いから生まれる気の緩み。そこから見えた、次の採用基準
ーこれまでの採用で、苦労された部分や気をつけていることはありますか?
一番心配していたのは言語とコミュニケーションの問題でしたが、そこは何とかクリアできました。ただ、人数を増やしていく過程で、1回目、2回目に採用したスタッフに友達を紹介してもらい、結果的に友達同士のペアになる形で働いてもらったことがあります。どうしても母国語で気軽に話せる相手だったり、もともと仲の良い友人同士だったりすると、気が緩んでしまう部分がある。これは日本人同士でも、仲の良い友達同士で働くとなあなあになってしまうのと、根っこは同じだと思います。トクティーの担当者にも相談しながら面談を実施したところ、それ以降は心を入れ替えて頑張ってくれています。この経験から、今は互いに知らない同士を採用するようにしています。また、年齢層も20代ではなく、30〜40代の、家族を持っていて自分の立場をある程度分かっている方を中心に考えるようになりました。
トクティーとの協業:安心して任せられる手厚いフォローと寄り添うサポート
ートクティーを知ったきっかけや、利用を決めた理由を教えてください。
息子の友人が近隣の企業で特定技能人材を採用していたことがきっかけで、トクティーさんをご紹介いただきました。正直、最初は右も左も分からない状態で、お任せするしかなかったんです。ただ、経験者で、ある程度日本語が分かる方、できれば車の免許を持っている方、という希望を伝えたところ、その通りの方を紹介していただけました。最初の2名がしっかりやってくれたので、戸惑うことはほとんどなかったですね。最初から最後までフォローしていただけるので、安心してお任せできています。
地域に溶け込み、次のリーダーへ。地方農業を支える新たな選択肢
ー今後、特定技能人材にどのような存在になってほしいと考えていますか?
日本の農業従事者は今後も減っていくと思います。引退する方も増えて、人手不足はますます深刻になるはずです。だからこそ、人材確保は重要になってくる。特定技能人材にも、単純な作業だけでなく、長期的に見据えて、作業の責任者やリーダーを担ってもらいたい。現場をまとめたり、日本人スタッフに技術を共有したりする立場になってくれたら、会社としても助かります。
ー最後に、外国人材の採用を検討している経営者の方へアドバイスをお願いします。
人によって差はあるとは思いますが、基本的にはしっかり仕事に向き合ってくれる方が多い印象です。スタッフが揃えば、作業の効率性は間違いなく上がります。実際、これまで経験したことがなかった「作業シフトが全て埋まる」という状態を実現できました。気をつけているのは、宗教には一切触れないこと。それから、日本人であれ外国人であれ、職場での悪口や陰口は絶対に言わないようにする、ということですね。国籍で区別せず、一人の人間として向き合う。それが一番大切だと思っています。
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