日本語能力試験(JLPT)の価値とは?難易度や取得メリットを解説!

外国人採用

2024/07/30

外国人人材を採用する際には、日本語能力の確認が不可欠です。在留資格「特定技能」には、日本語能力を測る指標にN4以上の日本語能力試験(JPLT)への合格が求められています。 この記事では、日本語能力試験(JPLT)の概要か […]

目次

外国人人材を採用する際には、日本語能力の確認が不可欠です。在留資格「特定技能」には、日本語能力を測る指標にN4以上の日本語能力試験(JPLT)への合格が求められています。

この記事では、日本語能力試験(JPLT)の概要から難易度を解説。受験するメリットや雇用する企業が外国人の日本語能力を見極めるポイントも紹介します。

日本語能力試験の概要

日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母語としない人を対象として、日本語の能力を評価し認定するための試験です。国際交流基金と日本国際教育支援協会が運営しており、日本国内および海外で実施されています​。

1984年から試験が開始され、2023年は、過去最高の約148万人の応募があり、海外応募者数が初めて100万人を突破しています。合格することで、就職活動やキャリアアップに活かせるため注目を集める試験となっています。

日本語検定との違い

日本語の能力を測定する試験には、日本語能力試験以外にも日本語検定があります。日本語検定は、日本人も受験対象に入り、試験場所も国内のみとなっています。

日本語検定では、日本語能力試験と同様に語彙や文法の問題が出題されます。加えて、漢字や敬語など幅広い領域から出題されます。日本語検定は、日本語を母国語とする人、一定以上の日本語能力を持つ人向きであるといえるでしょう。

日本語能力試験の試験情報

日本語能力試験の直近の応募者数、受験者数、開催国数を以下にまとめます。日本語能力試験は、7月と12月の年2回に分けて実施されています。

実施年・月 応募者数 受験者数 実施国・地域数
2023年7月 698,062 602,140 55
2023年12月 782,961 663,295 85
2022年7月 426,225 356,505 53
2022年12月 506,293 431,449 82
2021年7月 387,371 335,915 26
2021年12月 420,210 348,992 69

引用:日本語能力試験 JLPT 過去の試験データ

アフターコロナの2021年以降は、受験者数が増加傾向にあります。試験場所は、国内では47都道府県で実施されています。海外では、実施年によって異なります。これまでの実施国は公式サイトをご確認ください。開催場所の問い合わせは、以下に問い合わせてみてください。

▼問い合わせ先

日本語能力試験(日本国内)受付センター(日本国際教育支援協会)

03-6686-2974

独立行政法人国際交流基金日本語試験センター 

jlptinfo@jpf.go.jp

日本語能力試験の難易度・問題例

日本語能力試験は、N1~N5まで5段階の難易度に分かれています。N5からN1になるにつれ難易度が上がり、多くの単語や文法を知っていることになります。ここでは、各難易度の問題例と求められる能力を解説します。

N1

▼問題例

彼は今、新薬の研究開発に挑んでいる

1.はげんで 2.のぞんで 3.からんで 4.いどんで

 

【読む力】

論理的に複雑な文章や抽象度の高い文章の理解ができる

【聞く力】

自然なスピードで、話の流れや内容、要旨を理解できる

N1は、幅広い場面で使われる日本語を理解できるレベルに相当します。

N2

▼問題例

この黒いからどんな花が咲くのだろうか?

1.だね 2.たね 3.じゅ 4.しゅ

 

【読む力】

一般的な話題の話の流れや表現意図を理解できる

【聞く力】

自然に近いスピードで、話の流れや内容、要旨を理解できる

N2は、日常生活の場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できるレベルに相当します。

N3 

▼問題例

山本さんはクラスの代表に選ばれた。

1.たいひょう 2.だいひょ 3.だいひょう 4.たいひょ

 

【読む力】

日常的な話題について書かれた文章をある程度理解できる。専門的な文章は、言い換え表現を与えられれば、要旨を理解できる

【聞く力】

日常的な場面のやや自然に近いスピードで、話の内容をほぼ理解できる

N3は、日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベルに相当します。

N4

▼問題例

あには バスで 会社に 通って います。

1.むかって 2.かよって 3.わたって 4.もどって

 

【読む力】

日常的な話題の文章で、基本的な語彙や漢字を使って書かれた文章を理解できる

【聞く力】

日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、ほぼ理解できる

N4は、基本的な日本語を理解できるレベルに相当します。

N5

▼問題例

新しい くるまですね。

1.あたらしい 2.あだらしい 3.あらたしい 4.あらだしい

 

【読む力】

ひらがなやカタカナ、および基本的な漢字を用いら定型的な語句や文を理解できる

【聞く力】

日常生活でよく出会う場面でゆっくり話される会話であれば、必要な情報を理解できる

N5は、基本的な日本語をある程度理解できるレベルに相当します。

日本語能力試験を受ける手順

日本語能力試験を受ける前に、自分が受験するレベルを前述の問題例や問題集などを参考にしながら決めましょう。受験を希望する場合の手順は以下のとおりです。

  1. 日本語能力試験のホームページから「My JLPT」に登録する
  2. 申し込みを行い、受験料を支払う
  3. 受験票が届く
  4. 受験する
  5. 試験結果を受け取る

まず、受験を検討している段階で、「My JLPT」に登録しておくことをおすすめします。登録時に発行されたIDとパスワードがあれば受験申込情報を登録できます。申し込みが完了したら、受験料を支払います。(クレジットカード、コンビニ振込、銀行振込のいずれか)

病気や障害などで、受験上の配慮を受けたい場合は、申込受付期間のなるべく早い段階で日本語能力試験受付センターから「受験上の配慮申請書」を取り寄せて郵送申請する必要があります。(※受験上の配慮申請のみで受験はできません。インターネットによる受験申込が必須です)

試験が終わると、受験者全員に合否結果通知書が送られます。合格者には、日本語能力認定書が交付されます。「My JLPT」で試験結果の確認が可能です。

日本語能力試験を受けるメリット・目的

日本語能力試験を受験し、合格するメリットや目的について整理してみます。

  • 在留資格「特定技能」の取得に必要
  • 在留資格「高度専門職」の加点対象
  • 日本の資格取得の際に必要
  • 就職活動の際に有利

主なメリットや目的を解説します。受験の目標を設定する際の指針となるため、自分がなぜ受験するのかを明確にしておきましょう。

在留資格「特定技能」の取得に必要

日本語能力試験(JLPT)は、在留資格「特定技能」を取得するために必要な要件の一つとなっています。特定技能には、1号および2号があります。1号は、相当程度の知識または経験を必要とする業務に従事する場合、2号はより高度な熟練技能を必要とする業務に従事する場合に適用されます。

特定技能1号の在留資格を取得するためには、日本語能力試験(JLPT)のN4以上に合格するか、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格する必要があります。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)を選択する場合、250点満点中、200点以上で合格となります。日本語能力試験(JLPT)よりも実施頻度が高いため、短期間で日本語能力を証明したい方におすすめです。

在留資格「高度専門職」の加点対象

日本語能力試験のN1やN2に合格すると、高度人材ポイント制の対象(N1取得者には15点、N2取得者には10点が加点)となり、ポイントが70点以上になると、出入国管理上の優遇措置を受けられます。この制度は、高度な知識や技能を持つ外国人の受け入れを促進するためのもので、複数の在留資格の活動許可や配偶者の就労許可などのメリットがあります​。

日本の資格取得の際に必要

日本語能力試験のN1は、医師や看護師、薬剤師などの日本の国家試験を受験する際の資格要件となっています。海外で医療系資格を取得した人が、日本で同等の国家資格を取得する際に日本語能力試験のN1が必要です。

日本語能力試験N1が受験資格になっている他の国家試験は以下が挙げられます。

歯科医師、保健師、助産師、診療放射線技師、歯科衛生士、歯科技工士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救命救急士、言語聴覚士、獣医師、愛玩動物看護師

就職活動の際に有利

日本語能力試験の認定を得ることで、企業に対して自分の日本語能力を証明できます。N1やN2のレベルは高い日本語運用能力を示しており、日系企業や日本での就職において評価されます。

外国人を雇用する企業が注意すべきポイント

外国人人材の採用を検討する場合には、日本語能力の高い人材を自社に迎え入れたいものです。

  • 実際の会話力を見極める
  • 入社後の教育に注力する

外国人採用においては、上記2点のポイントを押さえることが重要です。

実際の会話力を見極める

日本語能力試験は、マークシート形式のため、特定技能の要件として、N4以上を取得している場合でも、実際の会話力は未知数です。日本語をアウトプットする力は採用面接で確認しておくとよいでしょう。

また、候補者が過去に日本語をどの程度使用していたのかも重要です。日本人と日常的に日本語でコミュニケーションを取っていれば、在住歴が短くても日本語が流暢な場合があります。

入社後の教育に注力する

日本語能力は、外国人が入社後も継続して教育していくことが求められます。N4レベルは、日本語の基礎的な教育から始め、業務に必要な専門的な用語まで計画的に学ぶ環境を作ることが重要です。

定期的なフィードバックと評価を通じて、進捗を確認し、必要に応じて教育内容を調整しましょう。また、外国人が質問しやすい環境を作り、コミュニケーションを促進することも効果的です。

日本語能力試験を人材採用の判断材料に!

日本語能力試験は、日本人を対象とした試験ではないため、認知度の高い資格ではありませんが、外国人人材を採用する企業は理解しておくべき試験です。難易度に応じた日本語レベルを理解し、自社に求められる日本語能力はどの程度なのか基準を設けておくことをおすすめします。

外国人の採用や雇用でお困りの方はプロに相談してみることをおすすめします。

外国人人材紹介サービス「トクティー」では、36,121名以上の人材データベースと217社の海外現地パートナー企業の中から優秀な特定技能人材をご紹介。日本語検定2級以上の優秀なスタッフの採用もサポートいたします。

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