技能実習生の雇用を考えている方へ!技能実習制度の基本情報や職種について解説!

外国人採用

2024/04/08

「人手不足のため外国人技能実習生を受け入れたいけど、どんな職種で受け入れられるのか」「他にいい制度はないのか」と、外国人を雇う制度は複雑で迷いますよね。この記事では、技能実習の基本情報や採用できる職種、さらに人手不足にお […]

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「人手不足のため外国人技能実習生を受け入れたいけど、どんな職種で受け入れられるのか」「他にいい制度はないのか」と、外国人を雇う制度は複雑で迷いますよね。この記事では、技能実習の基本情報や採用できる職種、さらに人手不足におすすめの在留資格・特定技能について解説します。

外国人技能実習制度とは

1993年に創設された外国人技能実習制度は、外国人が日本で就業するための在留資格(ビザ)の一つです。ここでは、技能実習の目的と現状を解説します。

技能実習の目的

技能実習制度は、外国人実習生に日本で得た知識や技術を母国で活用してもらう制度です。人材育成による国際貢献を目的としているため、受け入れ条件や職種などが細かく定められています。

日本における技能実習生の現状

技能実習生は、令和5年6月時点で日本全国に358,159人在留しています。中でも建設関係、食品製造関係、機械・金属関係に従事している実習生が多く、ベトナム、インドネシア、フィリピンからの受け入れ人数が大半を占めています。

技能実習の受け入れ方法

技能実習制度の受け入れ機関は下記の2タイプに分かれており、令和5年6月時点で団体監理型の受け入れが98.3%です。

団体監理型 事業協同組合や商工会などの監理団体が技能実習生を受け入れて傘下の企業等で技能実習を実施する
企業単独型 日本企業などが海外の現地法人や合弁企業、取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する

技能実習の制度区分

技能実習制度は1号~3号の3区分に分かれており、技能実習生として入国後1年目は技能実習1号となります。その後、所定の技能検定等に合格すると2号、3号の取得が可能です。技能実習3号まで取得すると技能実習生として最長5年間、就業できます。

技能実習制度の職種と作業の確認事項

技能実習制度は、受け入れ可能職種及び作業に該当する事業者が活用できます。技能実習生の受け入れを検討している場合は、必ず確認しましょう。

移行対象職種の確認

技能実習では、2号や3号に移行できる職種が限られています。移行対象職種に該当しない職種は、技能実習生として受け入れができないので注意が必要です。

移行対象職種の審査基準の確認

技能実習生を受け入れるには、職種に加え業務内容も移行対象職種ごとに細かく定められています。厚生労働省が公表している下記の審査基準を必ず確認しましょう。

  • 作業の定義
  • 必須業務(必ず従事しなければならない業務)
  • 関連業務・周辺業務(必須業務との関連性が認められる業務など)
  • 使用する素材・材料等と機械・器具等
  • 製品等の例
  • 移行対象職種・作業とはならない業務例(従事が認められない業務)

各業務時間の割合要件の確認

技能実習制度では、必須業務の業務時間が年間の実習時間全体の半分以上かつ関連業務は年間の実習時間の半分以下、周辺業務は1/3以下でなければなりません。また、業務ごとに「安全衛生業務」の時間を全体の10%以上設ける必要があります。

技能実習生が従事できる職種と業務

技能実習生は、実際どのような業務に従事できるのでしょうか。ここでは、技能実習2号に移行できる「移行対象職種」と「3号に移行できない職種」を紹介します。

移行対象職種

令和5年10月時点で、技能実習2号に移行できるのは下記の90職種165作業です。

職種名 作業
【農業関係】

2職種6作業

耕種農業 施設園芸/畑作・野菜/果樹
畜産農業 養豚/養鶏/酪農
【漁業関係】

2職種10作業

漁船漁業 かつお一本釣り漁業/延縄漁業/いか釣り漁業/まき網漁業/ひき網漁業/刺し網漁業/定置網漁業/かに・えびかご漁業/棒受網漁業
養殖業 ほたてがい・まがき養殖
【建設関係】

22種類33作業

さく井 パーカッション式さく井工事

ロータリーさく井工事

建築板金 ダクト板金/内外装板金
冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工
建具製作 木製建具手加工
建築大工 大工工事
型枠施工 型枠工事
鉄筋施工 鉄筋組立て
とび とび
石材施工 石材加工/石張り
タイル張り タイル張り
かわらぶき かわらぶき
左官 左官
配管 建築配管/プラント配管
熱絶縁施工 保温保冷工事
内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事/カーペット系床仕上げ工事/鋼製地下工事/ボード仕上げ工事/カーテン工事
サッシ施工 ビル用サッシ施工
防水施工 シーリング防水工事
コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事
ウェルポイント施工 ウェルポイント工事
表装 壁装
建設機械施工 押土・整地/積込み/掘削/締固め
築炉 築炉
【食品製造関係】

11種類18作業

缶詰巻締 缶詰巻締
食鳥処理加工業 食鳥処理加工
加熱性水産加工食品製造業 節類製造/加熱乾製品製造/調味加工品製造/くん製品製造
非加熱性水産加工食品製造業 塩蔵品製造/乾製品製造/発酵食品製造/調理加工品製造/生食用加工品製造
水産練り製品製造 かまぼこ製品製造
牛豚食肉処理加工業 牛豚部分肉製造
ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造
パン製造 パン製造
そう菜製造業 そう菜加工
農産物漬物製造業 農産物漬物製造
医療・福祉施設給食製造 医療・福祉施設給食製造
【繊維・衣類関係】

13種類22作業

紡績運転 前紡工程/精紡工程/巻糸工程/合ねん糸工程
織布運転 準備工程/製織工程/仕上工程
染色 糸浸糸/織物・ニット浸染
ニット製品製造 靴下製造/丸編みニット製造
たて編ニット生地製造 たて編ニット生地製造
婦人子供服製造 婦人子供既製服縫製
紳士服製造 紳士既製服製造
下着類製造 下着類製造
寝具製作 寝具製作
カーペット製造 織じゅうたん製造/タフテッドカーペット製造/ニードルパンチカーペット製造
帆布製品製造 帆布製品製造
布はく縫製 ワイシャツ製造
座席シート縫製 自動車シート縫製
【機械・金属関係】

17職種34作業

鋳造 鋳鉄鋳物鋳造/非鉄金属鋳物鋳造
鍛造 ハンマ型鍛造/プレス型鍛造
ダイカスト ホットチャンバダイカスト/コールドチャンバダイカスト
機械加工 普通旋盤/フライス盤/数値制御旋盤/マシニングセンタ
金属プレス加工 金属プレス
鉄工 構造物鉄工
工場板金 機械板金
めっき 電気めっき/溶融亜鉛めっき
アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理
仕上げ 治工具仕上げ/金型仕上げ/機械組立仕上げ
機械検査 機械検査
機械保全 機械系保全
電子機器組立て 電子機器組立て
電気機器組立て 回転電機組立て/変圧器組立て/配電盤・制御盤組立て/開閉制御器具組立て/回転電機巻線製作
プリント配線板製造 プリント配線板設計/プリント配線板製造
アルミニウム圧延・押出製品製造 引抜加工/仕上げ
金属熱処理業 全体熱処理/表面熱処理(浸炭・浸炭窒化・窒化)/部分熱処理(高周波熱処理・炎熱処理)
【その他】

21種類38作業

家具製作 家具手加工
印刷 オフセット印刷/グラビア印刷
製本 製本
プラスチック成形 圧縮成形/射出成形/インフレーション成形/ブロー成形
強化プラスチック成形 手積み積層成形
塗装 建築塗装/金属塗装/鋼橋塗装/噴霧塗装
溶接 手溶接/半自動溶接
工業包装 工業包装
紙器・段ボール箱製造 印刷箱打抜き/印刷箱製箱/貼箱製造/段ボール箱製造
陶磁器工業製品製造 機械ろくろ成形/圧力鋳込み成形/パッド印刷
自動車整備 自動車整備
ビルクリーニング ビルクリーニング
介護 介護
リネンサプライ リネンサプライ仕上げ
コンクリート製品製造 コンクリート製品製造
宿泊 接客・衛生管理
RPF製造 RPF製造
鉄道施設保守整備 軌道保守整備
ゴム製品製造 成形加工/押出し加工/混練り圧延加工/複合積層加工
鉄道車両整備 走行装置検修・解ぎ装/空気装置検修・解ぎ装
木材加工 機械製材
【社内検定型の職種・作業】

2職種4作業

空港グランドハンドリング 航空機地上支援/航空貨物取扱/客室清掃
ボイラーメンテナンス ボイラーメンテナンス

 

3号に移行できない職種

下記の職種・作業は3号へ移行できないので、注意しましょう。

職種名 作業
【漁業関係】 漁船漁業 棒受網漁業
【食品製造関係】 農産物漬物製造業 農産物漬物製造
医療・福祉施設給食製造 医療・福祉施設給食製造
【繊維・衣類関係】 カーペット製造 織じゅうたん製造/タフテッドカーペット製造/ニードルパンチカーペット製造
【機械・金属関係】 アルミニウム圧延・押出製品製造 引抜加工/仕上げ
【その他】 印刷 グラビア印刷
リネンサプライ リネンサプライ仕上げ
宿泊 接客・衛生管理
ゴム製品製造 成形加工/押出し加工/混練り圧延加工/複合積層加工
木材加工 機械製材
空港グランドハンドリング 客室清掃
ボイラーメンテナンス ボイラーメンテナンス

3号に移行する際の注意点

技能実習3号の外国人実習生を受け入れるには、受け入れ機関が優良な監理団体及び実習実施者と認められなければなりません。優良基準は採点式で、150点中60点以上の要件を満たすと適合します。

特定技能外国人制度への移行

技能実習生は、要件を満たすと特定技能外国人制度への移行も可能です。ここでは特定技能について紹介します。

特定技能とは

特定技能は、一定の技能水準を満たした外国人を日本人と同じように雇用し、日本の人手不足解消のために2019年に創設された在留資格です。技能実習が国際貢献を目的としているのに対し、特定技能は外国人の労働を目的としています。

特定技能のメリット・デメリット

特定技能のメリット、デメリットは下記の通りです。

メリット 即戦力となる人材が確保できる

在留期間の制限がない(特定技能2号のみ)

デメリット 経験者雇用と同条件のため給与水準が高くなる

転職される可能性がある

技能実習から特定技能に移行できる職種

特定技能は、下記の12分野に分かれています。移行を検討している技能実習生の職種や業務が移行対象業務に該当するか確認しましょう。

  • 介護分野
  • 素材系・産業機械・電気電子情報関連製造業分野
  • 建設分野
  • 造船・舶工業分野
  • 自動車整備分野
  • 航空分野
  • 宿泊分野
  • 農業分野
  • 漁業分野
  • 飲食料品製造業分野
  • 外食業分野

まとめ

技能実習は外国人の育成を目的とした制度です。何を目的として外国人を雇うのかを明確にし、目的に合った制度を活用しましょう。

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