漁業分野の「特定技能」のポイントと特徴を解説!

外国人採用

2024/04/16

2019年の出入国管理法の改正に伴い、漁業分野の特定技能も受け入れが可能となりました。漁業においては国内の人材不足により、徐々に外国人の雇用の強化を考える雇用主の方も増えてきているのではないでしょうか? この記事では、特 […]

目次

2019年の出入国管理法の改正に伴い、漁業分野の特定技能も受け入れが可能となりました。漁業においては国内の人材不足により、徐々に外国人の雇用の強化を考える雇用主の方も増えてきているのではないでしょうか?

この記事では、特定技能「漁業」の概要から人材要件など人材の受け入れに必要な情報を解説。外国人人材の採用を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

特定技能「漁業」の概要

漁業分野では、外国雇用の拡充が生産性の向上や国内人材の確保に対して有効な手段とされています。この背景には、漁船の高性能化、漁業作業の自動化・協業化、ICTの活用などがありますが、それだけでは人手不足の問題を解決できない現状があります。

出入国管理庁によると、令和5年3月時点での漁業分野の特定技能1号在留外国人は、1,955人となっています。漁業分野においても、外国人労働者の活用により、日本の深刻な人手不足問題の一助となることが期待されています。

参照:出入国管理庁 特定技能制度の現状について

特定技能「漁業」の人材要件

漁業分野の特定技能分野の人材要件は、特定技能1号及び、特定技能2号も令和5年6月より受け入れが可能となっています。特定技能1号は、最長5年の受け入れが可能で家族の帯同は不可となっています。受け入れる際には以下の条件があります。

▼受け入れ条件

  • 年齢: 応募者は18歳以上
  • 経験: 特定技能で受け入れる人材は基本的に経験者に限られ、技能実習2号を良好に修了しているか、技能試験と日本語試験に合格している必要がある

上記を満たしていないと、人材の受け入れができません。次章では、特定技能を取得する方法をいくつか紹介します。

技能実習2号の取得

技能実習2号とは、日本で1年目の技能実習を終え、双方の合意がある場合に2年目以降も実習を続けるための移行プロセスです。1号で習得した技能を更に深めることが目的で、職種や作業内容の変更は許されません。

2号への移行には試験通過など特定の要件を満たす必要があり、全ての技能実習1号が自動的に2号に移行できるわけではありません​。

特定技能2号への移行

漁業分野においては、特定技能2号への移行も可能です。移行させるためには、2号漁業技能および日本語能力試験(N3)以上が必要です。

また、必要な業務内容や経験として、漁業は、操業を指揮監督する者を補佐する者又は作業員を指導しながら作業に従事し、作業工程を管理する者としての実務経験を2年以上。養殖業は、 養殖業の現場において、養殖を管理する者を補佐する者又は作業員を指導しながら作業に従事し、作業工程を管理する者としての実務経験を2年以上と定められています。

現場の作業のみならず、管理者としての業務も求められています。

国内留学生の資格取得

特定技能の取得においては、国内に留学している語学能力の高い人材に試験を受けてもらうことで、採用が行いやすくなることが考えられます。

海外で資格取得

特定技能人材の資格取得は、海外でも開催されています。直近だとインドネシアで実施されており、詳細は、大日本水産会のHPをご確認ください。

一般社団法人 大日本水産会

特定技能2号申請の必要書類

特定技能2号を申請する際に必要な書類はいくつかあります。詳細は出入国管理庁の公式サイトを確認し、必要書類を洗い出すことをおすすめします。

外国人人材が提出する書類には、在留資格認定証明書交付申請書、特定技能外国人の報酬に関する説明書、雇用契約書の写しなど、具体的な業務内容や雇用条件、支払い条件を示す書類が求められます。

雇用する企業は、特定技能所属機関概要書、登録事項証明書、役員の住民票の写し、労働保険料等納付証明書など、企業の法人情報や適切な労働条件の証明が必要です。

また、国によってビザ申請に必要な書類や要件が異なる可能性があるため、具体的な申請手続き前には各国の在外公館のホームページで情報を確認することを推奨します。

加えて、漁業分野で必要な書類を以下にまとめてみます。

1.2号漁業技能測定試験(漁業or養殖業)の合格証明書の写し

2-1.所属機関が許可又は免許を受けて漁業又は養殖業を営んでいる場合(以下のうちいずれか)

①許可証の写し

②免許の指令書の写し

③その他許可または免許を受け漁業又は養殖業を営んでいることが確認できる公的な書類の写し

2-2.所属機関が漁業協同組合に所属して漁業又は養殖業を営んでいる場合(以下のうちいずれか)

①当該組合の漁業権の内容たる漁業又は養殖業を営むことを確認できる当該組合が発行した書類の写し

②その他当該組合に所属して漁業又は養殖業を営んでいることが確認できる書類の写し

3.漁船を用いて漁業又は養殖業を営んでいる場合(以下のうちいずれか)

①漁船原簿謄本の写し

②漁船登録票の写し

また、直近の特定技能外国人の受け入れから4か月以上経過している場合には、協議会の構成員であることの証明書が必要となっていましたが、令和6年6月15日以降は、協議会構成員でない方は、事前に協議会に加入申請し構成員となる必要があります。

このように様々な書類が必要となるため、時間に余裕をもって準備を進めましょう。

受け入れ企業に求められる要件

受け入れ機関にも求められる要件や基準が存在するため、遵守する必要があります。

▼受け入れ機関自体が満たすべき基準

① 労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること

② 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと

③ 1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと

④ 欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと

⑤ 特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと

⑥ 外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと

⑦ 受入れ機関が違約金を定める契約等を締結していないこと

⑧ 支援に要する費用を、直接又は間接に外国人に負担させないこと

⑨ 労働者派遣の場合は、派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで、適当と認められる者であ

るほか、派遣先が①~④の基準に適合すること

⑩ 労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること

⑪ 雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること

⑫ 報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと

⑬ 分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

引用:出入国管理庁「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」

また、漁業分野においては、以下の条件もクリアすることが求められます。

労働者派遣形態(船員派遣形態を含む。以下同じ。)の場合、特定技能所属機

関となる労働者派遣事業者(船員派遣事業者を含む。以下同じ。)は、地方公共

団体又は漁業協同組合、漁業生産組合若しくは漁業協同組合連合会その他漁業に

関連する業務を行っている者が関与するものに限る。

特定技能所属機関は、「漁業特定技能協議会」(以下「協議会」という。)の

構成員になること。

特定技能所属機関は、協議会において協議が調った措置を講じること。

特定技能所属機関及び派遣先事業者は、協議会及びその構成員に対し、必要な

協力を行うこと。

漁業分野の1号特定技能外国人を受け入れる特定技能所属機関が登録支援機関

に支援計画の全部又は一部の実施を委託するに当たっては、漁業分野に固有の基

準に適合している登録支援機関に限る。

特定技能所属機関は、特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する

書面を交付すること。

引用:水産庁 特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針の一部変更について

漁業分野においては、漁業特定技能協議会への加盟が必須となるため、こちらも合わせて対応していくことが必要です。

特定技能「漁業」で対応可能な業務

水産庁によると、特定技能の漁業で対応可能な業務には、「漁業」および「養殖業」の2つに区分されます。各業種の詳細を解説します。

業務区分「漁業」

漁業分野の主な対応可能な業務は以下です。

  • 漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保など

業務区分「養殖業」

養殖業の主な対応可能な業務は以下です。

  • 養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収獲(穫)・処理、安全衛生の確保など

各業務において、資格に付随する関連業務を任せることも可能です。関連業務として認められる水準としては、同じ漁業分野で働く日本人が普段から従事している業務が該当しますが、関連業務を主体に任せることはできません。

特定技能「漁業」の雇用形態

漁業分野で特定技能人材を雇用する場合には、直接雇用のみならず派遣も可能となっています。派遣先には、労働や社会保険、租税に関する法令の遵守、過去一年以内に同種の業務を行っていた労働者を解雇していないこと、行方不明の外国人を発生させていないこと、刑罰法令違反による罰則を受けていないことなどの要件があります。

また、直接契約の場合でも外国人人材が業務を主体的に行うことはできず、定められた要件に基づいた雇用契約の下、業務を遂行することとなります。

漁業分野は人材不足?

日本の漁業や水産業は後継者不足が深刻化したり、業務人口も不足したりする状況が続いています。漁業の持続可能性を考える上で、資源管理や漁業の多様化、技術の導入、教育と啓発などの対策が重要となる中で、外国人労働者の活用は、人手不足に悩む漁業分野において、人材確保の1つの解決策となり得ます。

潜在的な就業希望者を後継者不足に悩む漁業経営体や地域とつなぎ、新たな労働力として育成していく取り組みが進められており、外国人人材の受け入れ拡大だけでなく、漁業の魅力を若者に伝える努力、技術革新、資源管理の徹底など、多角的なアプローチが必要です。

市況を踏まえてスムーズな人材の雇用を実現しましょう!

特定技能制度は昨今の市況を踏まえて、拡大されつつあり、今後も特定技能2号の対応業種や受け入れ方法に変更が伴う可能性があります。日々、動向を確認しながら自社で雇用を検討する際は、スムーズに手続きが進むような体制を構築することが大切です。

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