インドネシア人の国民性や特徴、採用・雇用時に知っておきたい文化の違い

国別紹介

2023/02/06

インドネシア共和国は、東南アジア南部に位置し、赤道にまたがる約18,000もの島々からなる国です。国土面積は約189万平方㎞と日本の約5倍で、東西の距離は米国の東西両岸と同じ約5,000㎞に及びます。首都はジャワ島にある […]

目次

インドネシア共和国は、東南アジア南部に位置し、赤道にまたがる約18,000もの島々からなる国です。国土面積は約189万平方㎞と日本の約5倍で、東西の距離は米国の東西両岸と同じ約5,000㎞に及びます。首都はジャワ島にあるジャカルタ。日本との時差は2時間です。

人口は中国・インド・米国に次いで世界第4位の2.7億人(2021年現在)で、日本の人口の約2倍。総人口の5割が30歳未満という若い国で、約300の種族がいる多民族国家です。国民の約90%がイスラム教徒であり、世界最大のイスラム人口を有する国家としても知られています。

公用語はインドネシア語ですが、地方によって文化が多様であり、その他500以上の言語が話されています。多様な文化、言語、宗教が混在していることこそが、インドネシアの魅力の源泉といえます。

当記事では、そんなインドネシア人の国民性や文化の特徴、インドネシア人を採用するにあたって知っておきたい日本との違いや共通点についてご紹介していきます。

インドネシア人の国民性や文化の特徴は?イスラム教独自の習慣と米食文化

インドネシア人の採用を考えるにあたって、インドネシア人の国民性や文化について知っていきましょう。異なる文化をもつ人材と円滑にコミュニケーションをとるためでもありますし、誤解や文化の違いによる余計な衝突を避けることもできるからです。

インドネシア人の国民性は、楽観的でポジティブ

インドネシアは、基本的に楽観的でポジティブな性格の人が多いようです。相互扶助の意識が強く、心遣いがあり、とても優しい人が多いと言われています。帰属意識が強いので、家族を大事にしたり、目上の人を敬ったりする姿勢を持つ方が多いのも特徴です。

ただし、人前で叱られるのを嫌う人が多いので、そのような話は一対一でするようにしましょう。

次にインドネシアの文化について学んでみましょう。特徴的な食文化について以下にまとめました。

食文化:日本と同じく米食文化

インドネシアは世界第3位の米生産国(2019年現在:米の生産量の多い国(モミ量)|外務省)で、ほとんどの地域で稲作をしています。1日3食お米を食べる人も多いそうです。インドネシアでよく食されているインディカ米は、日本のお米とは違いサラサラとしていて、粘り気が少ないと言われています。

ナシゴレンやミーゴレンなどが有名ですが、地方には独自の郷土料理があります。手で食べる手食文化で、右手で中指と人差し指、親指でスプーンのようにすくって食べます。おやつが大好きで、間食をたくさんするのもインドネシアの食文化の特徴です。

また、イスラム教では毎朝、日の出前にお祈りをする習慣があり、早朝のお祈りの後に朝食を食べるので、朝食が早い家庭が多いのも特徴のひとつです。

インドネシア人の月間平均所得はどのくらい?

さて、インドネシア人の国民性や、文化について学んだところで、次は実際にインドネシア人を採用して一緒に働くことをイメージしてみましょう。採用を考えるにあたって、気になるのはやはりお金のことではないでしょうか。そこで、現在のインドネシアの世相を知るべく、統計を調査してみました。

インドネシア人の月間平均所得は3万円~4万円

ジェトロ(日本貿易振興機構)がまとめたデータによると、 2021年のインドネシアの平均月収は372ドルです。インドネシア人の月収は、高卒で3万円~、大卒で4万円~と言われています。

最低賃金は毎年約8%のペースで上昇しており、多くの日系企業が安い人件費を求めてインドネシアに進出しており、現地雇用が生まれ、インドネシアの経済成長の一端を担っています。急速に経済成長する一方、地域ごとの所得格差(特に都市部と農村部での格差)が広がっているという課題もあります。

インドネシア人を雇用するうえで知っておきたい文化の違い

インドネシア人の文化を知るうえで、イスラム教やムスリム(イスラム教徒)文化への理解は欠かせません。業種や勤務形態などによっては採用にも影響する可能性がありますので、イスラム教のルールや習慣を詳しくみていきましょう。

※イスラム教はインドネシアの国教ではありませんが、公的に認められている6つの宗教のうちの1つです。インドネシアでは無神論は認められておらず、イスラム教、キリスト教(カトリック・プロテスタント)、ヒンズー教、仏教、儒教の6つの公的な宗教のうち、いずれかの信仰が必要となります。

イスラム教のルールや習慣

・頭を触ってはいけない
イスラム教では、頭には神聖なものが宿っていると考えています。大人や子ども、男女関係なく頭を触ることは避けた方が良いでしょう。

・左手で握手したり物や料理を渡したりしない
イスラム教、ヒンドゥー教では左手が不浄だと考えられており、食事や握手も右手で行います。ムスリムでない人には寛容ではありますが、配慮として、なるべく左手で握手をしない、物や料理を渡したりしないようにするのが望ましいです。どうしても右手がふさがっている場合は、「左手ですみません」と断るようにしましょう。

・豚肉とアルコールがNG
イスラム教では、豚肉とアルコールを口にすることは禁止されています。豚由来のゼラチンやコラーゲン、乳化剤、調味料もNGですので注意してください。お酒やみりん、醤油などアルコール成分を含む調味料を使った料理もNGであるかは人によって考え方が異なるので、わからないときは聞いてみるとよいでしょう。

・1日5回のお祈り
イスラム教では、1日5回のお祈りがあります。下記はお祈り時間の目安です。

  • 日の出前:subuh(スブー)
  • 正午ごろ;dzuhur(ズフール)
  • 午後3時前後 :ashar(アサール)
  • 夕方5時前後:maghrib(マグリブ)
  • 夜7時前後 :isya(イシャ)

この時間に絶対というわけではなく、手が空いていたらお祈りをすれば良いというスタンスで、諸事情で時間のとおりに礼拝できないときは後から行ったり、まとめて行ったりすることも認められています。1回のお祈りの所要時間は人によって異なりますが、短くても5〜10分程度かかります。

一般的にはイスラム教には上記のような習慣がありますが、ムスリムによって習慣に個人差がありますので、聞いてみないとわからない部分もあります。採用をする際はあらかじめ確認しておくほうがよいでしょう。

ゴム時間とは?

インドネシア人は日本人とは違う時間感覚を持っており、時間にルーズだといわれています。待ち合わせにも30分程度遅れてくるなどのこういった時間感覚を「ゴム時間」と呼んでいます。こういった背景を理解していないと、遅刻してきた社員をいきなり叱ってしまうこともあるかもしれません。事前にインドネシア人にビジネスにおける時間に対する日本の考え方を教える必要があります。

インドネシア人を採用する上で押さえたいことは?

インドネシアは親日国として知られています。アニメやドラマの影響から日本語を勉強している人口も多く、日本語を勉強している人口のランキングでは中国に次いで世界第2位です(参考:2021年度 海外日本語教育機関調査/国際交流基金

年々、日本で働くインドネシア人は増えており、これから採用する機会も増えてくるでしょう。採用や雇用をする際は、人前で叱らないように配慮したり、イスラム教独自のルールに対して理解を示して歩み寄る姿勢が大事です。ポジティブで人のことを思いやることのできる性格を持っているインドネシア人ですが、お互いが歩み寄って尊重しながら仕事をしていくことが必要なのではないでしょうか。

おわりに

当記事では、インドネシア人の国民性や文化の特徴や、インドネシア人を採用するにあたって知っておきたい日本との違いや共通点についてご紹介しました。

インドネシア人は、明るく思いやりがある人が多いですし、日本語を勉強している人が多いので、コミュニケーションを取りやすいでしょう。ただし、人前で叱られるのを嫌う人も多いので、仕事上で注意をする際は人がいない場所を選ぶなど、配慮をしてあげてください。

また、インドネシア人にとってイスラム教は生活と密接に関係していますので、採用する際はルールや習慣を事前に確認しておきましょう。理解を示して尊重し一緒に働くことは、私たち日本人にとっても成長に繋がるのではないでしょうか。勤勉なインドネシア人の雇用は今後も増え、日本企業の成長に寄与してくれることでしょう。

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