特定技能「内装仕上げ」採用ガイド|仕事内容・試験・費用・リスク管理まで徹底解説

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2025/12/05

特定技能「内装仕上げ」採用ガイド|仕事内容・試験・費用・リスク管理まで徹底解説のアイキャッチ

日本の建設業界では、熟練職人の高齢化や若手の減少により、人手不足が深刻な課題となっています。特に、壁紙の張り替えや床の仕上げ、鋼製下地やボード張り、カーテン工事といった「内装仕上げ」の仕事は、建物の印象を決定づける大切な […]

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日本の建設業界では、熟練職人の高齢化や若手の減少により、人手不足が深刻な課題となっています。特に、壁紙の張り替えや床の仕上げ、鋼製下地やボード張り、カーテン工事といった「内装仕上げ」の仕事は、建物の印象を決定づける大切な最終工程です。

しかし、国内人材だけでは需要をまかないきれず、現場では即戦力となる外国人材への期待がますます高まっています。こうした背景から注目されているのが「特定技能(建設)」制度です。

外国人材が制度を通じて内装仕上げ分野で活躍するケースは年々増えており、多くの企業が採用に踏み切り始めています。

本記事では、企業の採用担当者や現場責任者の方に向けて、内装仕上げ分野における特定技能の概要、任せられる仕事の範囲、試験内容、技能実習からの移行手続き、受入れ体制の整え方、必要な費用の目安、そしてリスク管理のポイントまでをわかりやすく解説します。

この記事からわかること

この記事では、特定技能「建設」の中でも内装仕上げ分野に注目し、採用を検討している企業の方に必要な情報をまとめています。

どんな仕事を任せられるのか、試験の内容や受験の流れ、技能実習からの移行方法、受入れに必要な準備や手続き、さらに費用の目安や注意すべきリスクまで、一連のポイントを整理しました。

読み進めることで、採用から現場での定着までの流れをイメージでき、安心して採用計画を立てられるようになります。

内装仕上げ分野における特定技能の概要

内装仕上げ分野における特定技能の概要の画像

内装仕上げ分野で外国人材を採用するには、まず特定技能制度の全体像を理解することが重要です。特定技能は人手不足が深刻な建設業界で、即戦力となる人材を受け入れるために導入された制度であり、その中でも「建築」区分に内装仕上げが含まれています。

ここでは、制度の基本的な仕組みから内装仕上げの位置づけ、実際に現場で働く外国人労働者の現状までを整理し、採用を検討する企業が押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

特定技能制度の基本

特定技能制度は、2019年4月に創設された在留資格で、日本の人手不足分野において即戦力となる外国人材を受け入れるための仕組みです。

特定技能には1号と2号の2種類があり、1号は在留期間が通算5年、雇用契約に基づいて就労できることが特徴です。2号はさらに熟練した技能が必要で、家族帯同や永住申請が可能になります。

特定技能で就労するためには、技能評価試験や日本語試験に合格するか、技能実習2号を良好に修了していることが条件となります。

内装仕上げの位置づけ

内装仕上げは、建設分野における「建築」区分に含まれる職種です。壁紙の張替えや床仕上げ、鋼製下地の組立、ボード張り、カーテン工事といった作業は、建物の最終的な品質やデザインを決定づける重要な工程です。

2022年の制度改正により、従来細かく区分されていた作業内容が「建築」「土木」「ライフライン・設備」の3つに再編されたため、内装仕上げを含む建築区分では、より幅広い作業を担えるようになりました。

これにより、企業側も現場の実情に合わせて外国人材を柔軟に配置できるメリットがあります。

内装仕上げの外国人労働者の現状

法務省の統計によると、令和6年12月末時点で特定技能1号として在留している外国人は建設分野全体で38,365人にのぼります。そのうち「建築」区分に該当する人材は14,180人で、内装仕上げをはじめとする建築関連の作業に従事しています。

内装仕上げ単独の人数は公表されていませんが、クロス貼りや床仕上げ、鋼製下地工事、ボード張りといった作業はこの建築区分に含まれており、相当数の外国人が現場で活躍していることがうかがえます。

背景には、住宅やオフィス、商業施設のリフォーム需要の増加、職人の高齢化、若年層の人材不足といった構造的課題があります。

特定技能の在留外国人は、ベトナムを中心に、ミャンマーやインドネシア、フィリピンなどアジア出身者が多数を占めています。内装仕上げを含む建設分野でも、技能実習を修了した人材が特定技能に移行して就労するケースが多く、即戦力として現場を支えているのが現状です。

一方で、制度を利用する企業は建設特定技能受入計画の認定や、建設技能人材機構(JAC)への加入、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録といった要件を満たす必要があり、ルールに沿った受入れ体制づくりが欠かせません。

参照:出入国在留管理庁|特定技能在留外国人数 (令和6年12月末時点)

内装仕上げの対象業務

内装仕上げの対象業務

特定技能「建築」区分に含まれる内装仕上げ作業は、制度上できることと、認められていないことが明確に区分されています。ここでは、外国人材に任せられる具体的な業務と、関連業務の範囲、そして対応できない業務を整理します。

できる業務

内装仕上げ分野で特定技能外国人が担えるのは、技能実習職種にも定められている以下の作業です。

  • プラスチック系床仕上げ工事(ビニール床シートの施工など)
  • カーペット系床仕上げ工事
  • 鋼製下地工事(壁・天井の骨組みの施工)
  • ボード仕上げ工事(石膏ボード張り)
  • 壁装作業(クロス貼り)
  • カーテン工事

これらの作業は、建設技能人材機構(JAC)が定める「建築」区分に含まれており、現場での即戦力として任せることが可能です。

関連業務の範囲

特定技能外国人は、主業務に付随する関連業務も行うことが認められています。例えば、以下のような作業です。

  • 資材や道具の運搬、現場内での整理整頓
  • 足場の組立や解体の補助、安全確認の補助
  • 作業後の清掃や片付け
  • 設計図や施工図面の確認・理解

これらの関連業務は、現場の安全と効率を高めるために欠かせないものであり、日本人の職人が専門作業に集中できる環境を整える役割を果たします。

できない業務

一方で、内装仕上げの範囲を超える作業は任せられません。具体的には以下のような業務は対象外です。

  • 電気工事や水道工事など、ライフライン・設備区分に属する作業
  • 左官工事や塗装工事など、他の建築仕上げに該当する作業
  • 大工工事や鉄筋工事など、建築でも「構造」に関わる職種
  • 建設分野以外(介護、農業、外食など)の業務

これらの作業を特定技能「内装仕上げ」で外国人材に従事させることは「資格外活動」にあたり、法令違反となります。そのため、企業は採用時に担当させる作業を正しく区分し、契約書や受入計画に明記することが重要です。

特定技能「内装仕上げ」で働くには?

特定技能「内装仕上げ」で働くには?の画像

特定技能の在留資格を得て内装仕上げ分野で働くためには、主に「技能試験」と「日本語試験」に合格する必要があります。ただし、技能実習2号を良好に修了している場合には試験が免除される特例もあります。ここでは、それぞれの要件について解説します。

技能試験について

特定技能1号として内装仕上げで働くには、建設分野の技能評価試験に合格する必要があります。試験は学科と実技に分かれており、学科は内装仕上げの基本知識や安全衛生に関する問題、実技はクロス貼りや床仕上げなどの実際の施工能力が問われます。

合格基準はおおむね65%以上とされており、即戦力として現場で働けるかどうかを判断する内容になっています。

日本語試験について

技能試験に加えて、日本語能力を証明する試験も必要です。対象となるのは「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」のいずれかで、日常会話ができ、現場での基本的な指示を理解できるレベルが求められます。

これにより、安全に業務を遂行できるかどうかが確認されます。

技能実習からの移行

すでに技能実習2号を良好に修了している場合には、技能試験と日本語試験が免除され、そのまま特定技能1号に移行することが可能です。

内装仕上げに関連する職種(床仕上げ、ボード仕上げ、壁装作業など)を経験している実習生は、制度上スムーズにステップアップできる仕組みが整えられています。

企業にとっても、すでに現場経験があり日本の生活習慣に慣れている人材を継続雇用できる点で大きなメリットがあります。

特定技能「内装仕上げ」外国人の受入れと支援

特定技能で内装仕上げ分野の外国人を採用する場合、単に雇用契約を結ぶだけでは不十分です。受入れ企業には、法令で定められた手続きや、外国人材が安心して働けるようにするための生活支援を行う義務があります。

ここでは、受入れの基本的な流れと、企業が整えるべき支援体制について整理します。

受入れまでの基本的な流れ

採用を決めてから就労開始に至るまでには、いくつかの段階があります。代表的な流れは以下の通りです。

  • 特定技能外国人との雇用契約の締結
  • 建設特定技能受入計画の作成と認定申請(JAC・国交省への手続き)
  • 在留資格の申請(在留資格認定証明書の交付申請、または在留資格変更許可申請)
  • 来日前のオリエンテーション、住居の確保、生活基盤の準備
  • 来日後の生活支援(役所手続き、銀行口座開設、携帯電話契約など)
  • 就労開始後、1か月以内に「受入報告書」を提出、6か月以内に指定講習を受講

これらの手続きは1〜3か月以上かかることもあり、早めの準備が不可欠です。

企業に求められる支援体制

受入れ企業には、外国人材が安心して日本で生活できるようにするための「支援計画」を作成・実行する義務があります。具体的には以下のような支援が求められます。

  • 住居の確保や生活用品の準備
  • 役所手続き(住民登録、社会保険加入など)への同行
  • 日本語学習の機会提供
  • 生活オリエンテーション(公共交通やゴミ分別などのルール説明)
  • 相談窓口の設置と苦情対応
  • 転職希望が出た場合のサポート

こうした支援は法律で定められており、怠ると受入停止などの処分につながる可能性があります。

登録支援機関の活用

自社だけで全ての支援を行うことが難しい場合は、登録支援機関に委託することが可能です。

登録支援機関は、多言語対応や生活サポートのノウハウを持っており、外国人材と企業の双方を支援します。選ぶ際は、建設分野での支援実績、対応言語、トラブル時のサポート体制などを確認することが重要です。

また、たとえ登録支援機関に委託する場合でも、社内での受入れ体制を整えることは欠かせません。先輩社員を生活相談役として任命したり、社内研修で異文化理解を促進することは、外国人材の定着率を高めるうえで非常に有効です。

受入れにかかる費用の目安

特定技能で外国人材を受け入れる場合、採用時にかかる初期費用と、雇用後に継続して発生するランニングコストの両方を考慮する必要があります。ここでは、代表的な費用の内訳を整理します。

初期費用

採用段階で必要になる主な費用には以下があります。

  • 人材紹介手数料:30万〜70万円/人(送り出し機関や人材会社を通じた場合)
  • 在留資格申請費用:行政書士に依頼する場合は15万円前後+申請料9千円
  • 渡航費:5万〜10万円/人(本人負担となる場合もある)
  • 住居契約費:敷金・礼金・保証料などで数十万円程度
  • 生活立ち上げ費:家具・家電や生活必需品で数万円〜十数万円

継続的な費用

雇用開始後は、毎月または定期的に以下の費用が発生します。

  • JAC受入負担金:1人あたり月額12,500円(2024年7月以降、本人への転嫁は禁止)
  • JAC年会費:企業の加入区分によって変動
  • CCUS登録料:事業者は6,000円〜240万円(資本金規模により5年ごと)、技能者は1人あたり2,500〜4,900円
  • 登録支援機関への委託料:1人あたり月額1.5万〜3万円程度
  • 日本語教育費:教材やスクールの費用など
  • 給与・社会保険料:日本人と同等以上の水準での支払いが必要

費用の全体感

このように、初年度は採用関連費用や住居整備費が重くなるため、1人あたり100万円を超えるケースも珍しくありません。2年目以降はJAC負担金や支援委託料、給与・保険料などのランニングコストが中心となります。採用前に総額を試算し、長期的な人材育成への投資と位置付けて計画を立てることが重要です。

リスク管理と注意点

特定技能制度を活用する際には、法令遵守を徹底し、外国人材が安心して働ける環境を整えることが不可欠です。ルールを誤解したまま運用すると、企業にとって大きなリスクにつながる可能性があります。ここでは、特に注意すべきポイントを整理します。

関連記事:外国人の雇用って難しい?雇用時の注意点・ポイントを解説!

在留資格や法令遵守のリスク

特定技能外国人は、認められた業務の範囲でのみ就労することができます。例えば、内装仕上げの資格で採用した人材に電気工事や水道工事をさせると「資格外活動」に該当し、企業側が処分を受ける可能性があります。

また、日本人と同等以上の待遇が求められており、不当な賃金格差を設けることも禁止されています。制度違反が発覚すると、企業名が公表されたり、今後の受入れ停止となるリスクもあるため、コンプライアンス意識を持って取り組むことが必要です。

定着率を高めるための工夫

せっかく採用した外国人材も、職場に馴染めず短期間で離職してしまうケースがあります。定着率を高めるには、給与や労働条件だけでなく、将来のキャリアパスを提示することが重要です。

特定技能1号の在留期間は最大5年ですが、その後2号への移行や帰国後のキャリア支援などを見据えた働き方を示すことで、モチベーション向上につながります。

また、社内イベントや日本人社員との交流の機会を増やす、母国の家族とのコミュニケーションを支援するなどの取り組みも、孤立を防ぎ、長期的な定着に効果的です。

転職リスクへの対応

特定技能1号の外国人は、同一分野内での転職が認められています。つまり「建築」区分に在留資格を持つ場合、内装仕上げから型枠施工や左官など、建築分野の別職種へ移ることが可能です。

企業としては、待遇改善やキャリア形成支援を行うことで、優秀な人材が流出しないようにする必要があります。転職希望が出た際には、登録支援機関やJACを通じて適切に対応し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

このように、特定技能「内装仕上げ」を活用する際には、採用から就労、そして定着まで一貫したリスク管理が欠かせません。外国人材を単なる労働力ではなく、共に働くパートナーとして迎えることで、現場の安定と企業の成長につながります。

まとめ

本記事では、特定技能「内装仕上げ」分野で外国人材を採用するために押さえておくべきポイントを解説しました。

制度の基本や内装仕上げの位置づけ、任せられる業務範囲、技能試験や日本語要件、技能実習からの移行ルート、受入れに必要な支援体制や費用の目安、そしてリスク管理までを一通り整理しました。

建設業界の人手不足は今後も続くと予測されており、特定技能を活用した外国人材の受入れは企業にとって有効な解決策のひとつです。ただし、採用や受入れは制度理解と法令遵守が前提であり、支援体制をきちんと整えることが長期的な成功につながります。

外国人材を「労働力」として見るのではなく、現場を共に支えるパートナーとして迎え入れることで、企業の成長と人材のキャリア形成の双方にプラスの効果をもたらすことができます。この記事が、採用計画を進める上での参考になれば幸いです。

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