ベトナムは東南アジアに位置する人口約1億人の国で、日本とも歴史的・経済的なつながりが深く、現在では多くのベトナム人が日本で働いています。
そんなベトナム人を自社で採用するうえで気になるのが、ベトナム人の国民性や文化、仕事観、日本との価値観の違いではないでしょうか。
本記事では、ベトナム人の性格や特徴、文化的な背景、仕事に対する姿勢をわかりやすく解説します。ベトナム人とのより良い関係づくりや、採用ミスマッチの防止に役立ててください。
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ベトナム人の基本情報と文化的背景
ベトナム人の性格や働き方を理解するためには、まず国の文化や背景を知ることが重要です。フランス文化の影響を受けた独特のカフェ文化や、米粉を使ったヘルシーな食生活、朝型の生活リズムなど、ベトナムの文化的な特徴を押さえることで、相手との距離を縮めやすくなります。
日本との共通点も多いため、ビジネスや雇用の場面でも良好な関係を築きやすい国といえるでしょう。
ベトナムはどんな国?
ベトナムは東南アジアに位置し、南シナ海に面した国で、人口は約1億人にのぼります。宗教は仏教が広く浸透しており、儒教や道教の影響も強く見られます。首都はハノイ、最大都市はホーチミンです。
教育水準も年々向上しており、日本語学習者も多く、日本との経済的・人的交流が活発に行われています。
フランス文化の影響を受けたカフェ文化
ベトナムはフランスの植民地時代の影響を色濃く受けており、ホーチミンなどの都市にはおしゃれなカフェが数多く存在します。自国でコーヒー豆を生産・輸出していることもあり、コーヒーはベトナム人にとって身近な存在です。
特に練乳を入れた「ベトナムコーヒー」は甘く濃厚な味わいで、現地でも旅行者にも人気のドリンクです。茶文化もあり、ハス茶や緑茶、抹茶スイーツなども親しまれています。
米粉を使った食文化は日本人にも馴染みやすい
ベトナムは稲作が盛んな農業国で、米粉を使った料理が豊富です。フォー(米粉の平麺)やブン(細麺)、ライスペーパーを使った生春巻きなど、日本人にもなじみやすい食文化が特徴です。
また、野菜や南国フルーツを多く使用するため、欧米料理に比べて脂肪分が少なく、健康志向の方にも親しまれています。
朝型生活と昼寝の習慣
ベトナム人は朝が早く、6時台から市場で買い物をする習慣があります。冷蔵庫の普及率が比較的低いため、日々の買い出しが生活の一部になっています。
その代わりに、日中の暑さや早朝活動の疲れを癒す「昼寝」の習慣も根付いており、休憩時間に短時間の仮眠をとる文化があります。こうしたライフスタイルの違いは、採用後の勤務スタイルにも影響するため、あらかじめ把握しておくとよいでしょう。
ベトナム人の性格や仕事観の特徴は?
ベトナム人の性格は、勤勉で穏やか、家族思いで協調性が高いといった特徴が挙げられます。また、手先が器用で学習意欲が高く、日本の製造業やサービス業とも相性が良いとされています。
このような性格や仕事観を理解したうえで雇用することで、職場でのトラブルやミスマッチを防ぎ、長期的な定着にもつながります。
勤勉で真面目、温厚な性格
ベトナム人は一般的に勤勉で真面目、穏やかな性格といわれています。家族を大切にし、周囲との調和を重んじる傾向があり、日本人との価値観が似ている部分もあります。
素直で成長意欲が高い
日本語や英語の学習に積極的で、スキルアップやキャリア形成に対して前向きな姿勢を持つ若者が多いです。製造業や接客業などでも、一度慣れれば熱心に取り組む姿勢が期待できます。
職人気質で手先が器用
ベトナムでは伝統工芸が盛んで、手先が器用な人が多いとされています。繊細な作業やチームワークが求められる職場にも適性がある人材が豊富です。
自己主張は控えめでも、信頼を重視
日本と同じく、ベトナムでは控えめな態度が好まれるため、最初は意見を遠慮しがちな面も見られます。しかし、信頼関係を築くことで自信を持って働くようになるケースが多く、長期的な育成に向いています。
なぜ今、ベトナム人の採用が増えているのか?
日本では少子高齢化により働き手の確保が困難となり、特に製造・建設・介護・外食業界などでは慢性的な人手不足が課題となっています。そのなかで注目を集めているのが、勤勉で真面目とされるベトナム人材の採用です。
ここでは、ベトナム人採用が増えている背景について、ベトナム国内の状況・制度面の後押し・日本企業側のメリットという観点から整理します。
ベトナム国内の所得格差・雇用環境も影響
ベトナムは経済発展を続けていますが、地域によって所得格差が大きく、特に農村部では安定した収入を得るのが難しい現状もあります。このため、海外での就労によって生活を安定させたいと考える若者が増加しています。
技能実習・特定技能制度による来日者が増加
日本では、2019年に開始された「特定技能制度」により、外国人材の受け入れが本格化しています。
なかでもベトナム人は主要な送り出し国として存在感を高めており、出入国在留管理庁によると、2024年12月時点で132,920人が特定技能1号として在留。全体の46.9%を占め、国別で最多となっています。
業種別では、「飲食料品製造業(47,492人)」「工業製品製造業(26,648人)」「建設(25,177人)」「外食業(10,699人)」など、幅広い分野で活躍しています。
製造・建設・外食といった人手不足が深刻な業界において、ベトナム人材は貴重な戦力として高い評価を得ており、日本語能力や勤勉さが受け入れ企業から支持されています。
参照:出入国在留管理庁|令和6年末 特定技能1号 在留外国人数(国籍・分野別)
日本企業にとってのメリットも大きい
ベトナム人材は温厚で協調性があり、日本人の職場文化とも相性が良いとされています。また、手先が器用で丁寧な作業を好む傾向もあるため、製造業やサービス業などでの即戦力として活躍するケースも少なくありません。
ベトナム人の月間平均所得はどのくらい?
ベトナム人を採用する際、日本との所得水準の違いを理解しておくことは非常に重要です。物価や生活水準に差があるとはいえ、母国と日本の給与水準の差は、就労意欲や職場定着率にも大きく関わるからです。
ここでは、ベトナム統計総局のデータをもとに、平均所得の推移や背景を解説します。
2024年のベトナム人の平均月収は541万ドン
ベトナム統計総局の「家計生活水準調査」によると、2024年の全国平均月収は5,415千ドン(約33,000円前後)となっています。これは、2014年の2,637千ドンと比べて、約2倍に上昇しており、経済成長のスピードがうかがえます。
とくに都市部では6,890千ドン(約42,000円)、農村部では4,505千ドン(約27,000円)と格差はあるものの、どちらも安定して上昇しています。
このように、ベトナム国内でも生活水準は向上してきているとはいえ、日本との賃金差はいまだに大きく、外国で働くことに大きな経済的メリットを感じている人が多いのが実情です。
ベトナム人を採用する上で押さえたいことは?
実際にベトナム人を採用するにあたっては、時間に対する考え方やマナー、コミュニケーションなど、文化の違いによるギャップが発生する可能性があります。
ベトナム人は「勤勉で日本人と似ている」と評されることも多いですが、それでもやはり国民性や生活習慣には違いがあるため、職場でのトラブルを未然に防ぐためにも、事前の理解が重要です。
時間感覚や休憩の取り方に違いがある
例えば、ベトナムでは昼寝(シエスタ)の習慣が広く浸透しており、ランチ後に1時間ほど仮眠をとることが一般的です。これは日本人にとっては馴染みのない文化であり、とくに中高年の「モーレツ社員」世代にとっては驚きに感じられるかもしれません。
しかし近年では、GoogleやNIKEといったグローバル企業でも仮眠制度が導入されており、短い休息が集中力やパフォーマンスの向上に効果的だと脳科学的にも認められています。
こうした考え方の違いをネガティブに捉えるのではなく、柔軟に受け入れる姿勢が重要です。
採用前から相互理解を心がけることが大切
文化や価値観の違いを前提とし、採用面接時からしっかりとすり合わせを行うことが、定着率や職場の雰囲気を大きく左右します。
特に時間厳守や報連相(報告・連絡・相談)の重要性など、日本のビジネスマナーについては、丁寧に共有しておくとよいでしょう。
お互いに歩み寄る姿勢を持ちつつ、教育やフォロー体制を整えることで、能力の高いベトナム人材の力を最大限に活かすことが可能になります。
おわりに
本記事では、ベトナム人の国民性や文化的背景、そして採用を検討するうえで知っておきたい日本との違いや共通点について解説しました。
観光地としても人気の高いベトナムは、文化や価値観の面で日本と通じる部分も多く、ベトナム人材の採用は、企業にとっても非常に親和性の高い選択肢と言えるでしょう。
実際にベトナム人は勤勉で向上心が高く、柔軟に異文化へ適応できる力を備えており、日本のみならず世界中の企業から注目されています。今後も、ベトナム人材を積極的に受け入れようとする企業はさらに増えていくことが予想されます。
採用を検討されている企業の皆さまには、ぜひ本記事の内容を参考に、ベトナム人とのよりよい共働の第一歩を踏み出していただければ幸いです。
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