送り出し機関とは?特定技能・技能実習制度の活用時に知っておくべきポイントを紹介!

外国人採用

2024/07/30

特定技能制度や技能実習制度に関係のある送り出し機関。日本の監理団体に取り継ぐ役割を持っていますが、雇用先と直接関わるわけではないため、よく分からない企業担当者も多いのではないでしょうか? しかしながら、送り出し機関は、外 […]

目次

特定技能制度や技能実習制度に関係のある送り出し機関。日本の監理団体に取り継ぐ役割を持っていますが、雇用先と直接関わるわけではないため、よく分からない企業担当者も多いのではないでしょうか?

しかしながら、送り出し機関は、外国人人材を日本に迎え入れる際に必ず関係してくるため、どのような機関であるか理解しておく必要があります。この記事では、送り出し機関の役割や選定ポイントを解説します。

送り出し機関とは?

送り出し機関は、日本で働きたい外国人を募集・選抜し、日本へ送客する機関を指します。特定技能や技能実習以外にも在留資格「技術・人文知識・国際業務」の外国人は、送り出し機関を通じて、採用されることが多いです。

外国人の募集・選抜以外にも以下の役割があります。

  • 送出し手続きのサポート
  • 実習期間中のフォローアップ
  • 帰国後のサポート

自社の採用要件に見合う候補者を採用するには、送り出し機関の役割を理解しておくことが重要です。

送り出し機関の役割

特定技能制度および技能実習制度を利用する際の送り出し機関の役割を解説します。

特定技能制度

特定技能制度において、送り出し機関の利用は必須ではありません。受け入れ企業が、採用から雇用まで行うことが可能です。例外として、以下の国は特定技能制度の利用時の送り出し機関の利用が必須です。

  • ベトナム
  • ミャンマー
  • フィリピン
  • カンボジア

各国の人材の受け入れ方法は後述しますので、参考にしてみてください。

技能実習制度

技能実習生の受け入れには、団体監理型と企業単独型の2種類あります。団体監理型で受け入れる場合には、送り出し機関の利用が必須です。日本の監理団体が技能実習生を受け入れる際に、外国人の送り出しを担います。

技能実習制度を利用する多くの企業が、団体監理型で技能実習生の受け入れを行っています。一部の企業で、送り出し機関の利用が必須ではない企業単独型の受け入れ方式を採用しています。

送り出し機関と二国間協定について

技能実習制度や特定技能制度において、適切な送り出しと受け入れを実現させるために日本と相手国との間で協力覚書を作成することを二国間協定といいます。現在では東南アジアを中心に以下16カ国で締結されています。

▼二国間協定締結国

  • フィリピン
  • カンボジア
  • ミャンマー 
  • モンゴル
  • スリランカ
  • インドネシア 
  • ベトナム
  • バングラデシュ
  • ウズベキスタン
  • パキスタン
  • タイ
  • インド
  • ラオス
  • ブータン
  • ネパール
  • マレーシア

二国間協定国ごとに手続きに違いがあります。各国の手続きの詳細は、以下サイトをご確認ください。

参照:出入国在留管理庁 特定技能に関する二国間の協力覚書 各国における手続について

二国間協定には、特定技能外国人や技能実習生の保護を目的としている側面もあります。これまでの外国人の受け入れで悪質の仲介業者の搾取や未払い賃金などの問題が多発していることから、送り出し国、機関の規制を強化することで、受け入れる外国人を保護し、安定して働けるような仕組みの構築を目指しています。

送り出し機関の認定要件

送り出し機関は認定制です。二国間協定や規則をもとに、送り出し機関として適正かどうかが判断されます。技能実習制度の送り出し機関の認定要件は、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に定められています。(規則第25条)

送り出し機関の要件

(1)所在する国の公的機関から技能実習の申込みを適切に日本の監理団体に取り次ぐことができるものとして

推薦を受けていること

(2)制度の趣旨を理解して技能実習を行おうとする者のみを適切に選定して、日本への送出しを行うこと

(3)技能実習生等から徴収する手数料その他の費用について、算出基準を明確に定めて公表するとともに、

当該費用について技能実習生等に対して明示し、十分に理解をさせること

(4)技能実習を修了して帰国した者が、修得した技能を適切に活用できるよう、就職先のあっせんその他の必要な支援を行うこと

(5)フォローアップ調査への協力等、法務大臣、厚生労働大臣、外国人技能実習機構からの要請に応じること

(6)当該機関又はその役員が、日本又は所在する国の法令に違反して、禁錮以上の刑又はこれに相当する外国の法令による刑に処せられ、

刑の執行の終了等から5年を経過しない者でないこと

(7)所在する国又は地域の法令に従って事業を行うこと

(8)保証金の徴収その他名目のいかんを問わず、技能実習生の日本への送出しに関連して、技能実習生又はその家族等の金銭又はその他の財産を管理しないこと

(9)技能実習に係る契約不履行について、違約金を定める契約や不当に金銭その他の財産の移転をする契約を締結しないこと

(10)技能実習生又はその家族等に対して(8)(9)の行為が行われていないことを技能実習生から確認すること

(11)過去5年以内に偽造・変造された文書の使用などの行為を行っていないこと

(12)その他、技能実習の申込みを適切に日本の監理団体に取り次ぐために必要な能力を有すること

引用:法務省 厚生労働省 新たな外国人技能実習制度について

これらの要件を満たすことで、技能実習制度の送り出し機関として認定されます。

送り出し機関を選ぶポイント

送り出し機関によって、サービスや支援の内容が異なります。ここでは送り出し機関を選ぶポイントを紹介します。

  • 政府の認定であるか確認する
  • 入国後のフォロー体制をチェックする
  • 日本に駐在事務所や支社があるか
  • 担当者の対応に疑問はないか

優良な送り出し機関を選ぶことで、優秀な人材を採用できる可能性も高まります。

政府の認定であるか確認する

政府認定の送り出し機関であるかを確認しておきましょう。認定を受けるには、日本の認定要件および、自国の認定要件をクリアしている必要があります。政府認定送り出し機関は以下サイトにてご確認ください。

参照:外国人技能実習機構 外国政府認定送出機関一覧はこちら

入国後のフォロー体制をチェックする

送り出し機関は、外国人人材が日本に入国した後も継続的にサポートする役割があります。

入国後のサポートが不十分であると、実習生は生活や仕事で困難やストレスを抱えてしまう可能性があります。フォロー体制が整っているかを判断するポイントを以下にまとめます。

  • 教育担当者の語学スキル・ビジネスマナーの有無
  • 教育担当者の教育実績の有無
  • 日本に滞在中の外国人人材との連絡手段の有無
  • フォロー体制が整備されているか

教育担当者や組織体制に着目して、外国人人材が安心できるフォロー体制が整っているかを見極めましょう。

日本に駐在事務所や支社があるか

日本に駐在事務所や支社を構えていることで、定期的なフォローやメンタルケアを実施できます。その他、日常生活や仕事での問題解決、緊急対応が迅速に行えるため、実習生の安心感が高まります​。

日本に駐在事務所や支社があることで、継続的に日本への外国人人材の受け入れを行っているかを判断する指標にもなります。また、海外のみに拠点がある送り出し機関と比べるとコミュニケーションのとりやすさもメリットといえるでしょう。

送り出し機関を選ぶ際の注意点

送り出し機関を選ぶポイントと合わせて、送り出し機関の問題や注意点を理解しておきましょう。

費用が高額となる場合がある

送り出し機関は、監理団体や人材紹介会社から紹介料として、外国人人材の年収の20%~30%または、固定報酬(数十万円)を採用実績に伴い支払うことが一般的です。その他、入国前の教育費用などが別途請求となり、高額となる場合があるため注意しましょう。

また、送り出し機関は、外国人人材からも手数料を徴収しています。出入国在留管理庁が実施した調査によると、技能実習生が来日前に送り出し機関に支払っている費用の平均は、521,065円となっています。また、来日前に母国で借金をしている技能実習生は約55%で、平均値は 547,788円となっている結果が示されています。

引用:出入国在留管理庁 技能実習生の支払い費用に関する実態調査について(結果の概要)

技能実習生の平均賃金を考えると、来日するための経済的負担は大きいです。悪質な仲介業者から高額費用を請求されないように、適切な送り出し機関を選ぶことが大切です。

教育制度が整備されていない場合がある

送り出し機関が提供する教育制度には、日本語教育や文化適応トレーニングが含まれます。技能実習の応募では、監理団体への面接に合格するために数カ月間の日本語教育が実施されます。

しかしながら、一部の送り出し機関では、教育カリキュラムがなかったり、教育担当者の日本語レベルが低く、教育の質に悪影響を及ぼしています。これら実態を踏まえ、前述の選定ポイントを満たす送り出し機関を選定することが大切です。

特定の送り出し機関の利用が義務付けられている国

最後に特定の送り出し機関の利用が義務付けられている国を紹介します。

  • ベトナム
  • ミャンマー
  • フィリピン
  • カンボジア

これらの国は、日本への受け入れも多いため、手続きの内容や手順を把握しておくとよいでしょう。

ベトナム

ベトナム人の技能実習、特定技能による採用は、送り出し機関の経由が必須です。送り出し機関は労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)に認定を受け、手続きを進める必要があります。

送り出し機関との連携を図りながら採用を進めるには、ノウハウがないと難しいため、特定の人材紹介会社の利用をおすすめします。

ミャンマー

ミャンマーから日本へ労働者を送り出す際には、政府から認定を受けた送り出し機関を通す必要があります。また、ミャンマー現地で送り出し機関が求人の紹介を行う場合には、受け入れ機関が提出した求人票をミャンマー労働・入国管理・人口省(MOLIP)にて許可・承認する必要があります。

ミャンマーから外国人を受け入れる場合も、申請手続きが複雑なため、特定の人材紹介会社の利用をおすすめします。

フィリピン

フィリピン人の雇用は、DMW(旧POEA)に対して、雇用主登録を受ける必要があります。DMWへの登録は、MWO(旧POLO)から送付される書類と推薦書を送り出し機関経由でDMWに提出しなければなりません。DMWに登録完了後、求人情報が登録され、雇用契約の締結が可能となります。

フィリピンも申請手続きが複雑なため、実績のある人材紹介会社に相談するか、フィリピン以外の国からの受け入れも検討するとよいでしょう。

カンボジア

カンボジア人の雇用は、カンボジア政府認定の送り出し機関の利用が求められます。カンボジアでは、労働者本人が送り出し機関を通じて、登録証明書の発行を行い、カンボジア労働職業訓練省(MoLVT)に申請します。

他国と送り出し機関の役割や手続きが異なるため、事前に受け入れ手順を確認しておくことをおすすめします。

送り出し機関の役割を理解した採用手続きを!

特定技能制度や技能実習制度の利用は、自社に多くのメリットがあります。採用要件に見合う人材の選抜からスムーズな採用を行うには、送り出し機関の役割や正しい手続きを理解することが重要です。また、国によってルールが異なるため、手続きも複雑になる可能性があるため、人材紹介会社を利用することをおすすめします。

外国人の採用や雇用でお困りの方はプロに相談してみることをおすすめします。

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